喪中を過ごす人にとって、守らなければいけないマナーがあります。
ですが、今は昔と違い、それを教えてくれる年配の方も少なくなってきています。
また、生活環境も随分と変わり、今風なやり方を考えることも必要となってきています。
喪中の年末年始はどのように過ごせばいいか、紹介していきたいと思います。
喪中の年末年始の過ごし方は?
喪中とは基本的には、お祝い事とや派手なことを控え、慎ましく過ごすことを言います。
個人の冥福を祈りながら静かに過ごすのが、年末年始の過ごし方となります。
何がお祝いで、何がそうでないかを考えると、わかりやすくなりますね。
クリスマス
クリスマスとは、外国の風習です。キリスト教で行われるものですが、日本ではずいぶんと意味が違うものになってしまっています。
まあ、どちらかと言えば、商業的な意味合いが強いですよね。
では喪中にはどうすべきなのでしょうか?
人がたくさん集まるパーティーなどは、控えるようにしましょう。
メリークリスマス、はお祝いの言葉です。また、騒ぐようなことは慎むのが本来の喪中です。
ですが、家庭でちょっとした食事(ただし、余り豪華でないもの)であれば、良いでしょう。
もっとも、これをクリスマスというかは少し疑問ですが。
忘年会
断るようにしましょう。これは娯楽に興じる(楽しいことを行う)という意味では、クリスマスパーティーでも、忘年会でも同じです。
喪中であれば、慎むようにしましょう。
年越しそば
年越しそばの由来は諸説あります。
ただ、どの説をとっても、お祝いのために食べるというものではありません。
長寿を願うために、長いそばを食べるとか、麺類の中ではキレやすいので、今年一年の役歳を断ち切るために食べるなどが、よく聞くいわれだと思います。
なんにしても、お祝いとは関係ないので、喪中でも問題ありませんね。
除夜の鐘
コレも諸説ありますね。
一般的には、108個の煩悩(ぼんのう)を表しており、それを消すためとの説がよく聞かれます。
お祝いとは関係ありませんので、除夜の鐘をつく、または部屋でテレビなどで見たり聞いたりして過ごすのは問題ありません。
喪中の年末年始の挨拶はどうすればいい?
それでは、挨拶はどうすればよいのでしょうか?
年賀状
年賀状は送りません。新年を祝うものなので、通常は欠礼状を書きます。いわゆる喪中はがきですね。
11月~12月始め頃までに、書き終えて投函を済ませるようにしましょう。
もし年賀状に年賀状を投函し終えた後に、家族がなくなった場合は、仕方がないのでそのままでも大丈夫です。
近所や会社での挨拶
なんといって挨拶をすればよいか、少し難しいところです。
基本的には「おめでとうございます」の種類の、お祝いの言葉は使わないようにします。
「来年もよろしくお願い致します。」
「今年もよろしくお願い致します。」
この辺りは無難な使い回しでしょう。
ただ、正直な話、家の近所なら身内に不幸が会ったことはわかってもらえます。
そして、会社で同じ部署や、同じ事務所ないなら理解してもらえます。
でも、取引先相手には、自分の身内に不幸が会ったことをいちいち説明するのは不可能です。
また、相手も不幸があった取引先すべての事情を気にかけることは実質無理です。
ごく個人的な考えになりますが、普通にあけましておめでとうございます、今年もよろしくお願い致します、と挨拶しても良いのではないでしょうか?
近所や友達、同じ会社の同じ部署内などなら、
「今年もよろしくお願い致します」
それ以外の取引先相手なら、
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します」
これでよいと考えています。
この辺は臨機応変に対応するのが、今風な挨拶だと思います。
喪中の年末年始の行事やその他については?
その他についてはどう考えれば良いのでしょうか?
おせち料理
本来は控えるべきものです。
お祝いを連想する料理が多いです。よろこぶ、めでたいなど、おせち料理はやはり避けるべきものです。
・・・というのが基本なのですが。
おせち料理を食べたいというのであれば、派手にお祝いらしくなければよいでしょう。
おせち料理の基本である
・数の子
・田作り
・数の子
・たたき牛蒡
上は関東での三品。下は関西での三品です。
この三つを作って静かに過ごすのであれば、良いと思います。
お雑煮
これも、基本的には控えるべき食べ物です。
ただ、上の三品にお雑煮であれば、あまり気にする必要もないでしょう。
この辺も柔軟に考えて食べれば大丈夫です。
具が特別に豪華(例えば、普段食べないカニやエビ、いくらなど)が入っていなければ、良いです。
お屠蘇(おとそ)
まあ、これはさすがに控えたほうが良いでしょう。
ですが、普通にお酒を飲む分には問題無いです。
お年玉
本当は控えた方が良いです。
でも、さすがにあげないと子どもが可哀想ですよね?
家族内なら、お小遣いであげても良いかもしれません。
でも、そこまでするなら、普通にお年玉でも良さそうです。
この辺も柔軟に考えて良いかと思います。
注連飾り(しめかざり)
しめかざり、門松、鏡餅。
これらの正月を祝う飾りはNGです。
(門松は最近あまり見なくなりましたね。注連飾りも、昔は車から自転車からどこでも見ることができましたが、今はほとんどお目にかからなくなりました。)
初詣
基本的には控えましょう。
ただ、どうしても行きたければ、正月を過ぎてから派手な格好をしていなければ、そこまで気にすることはありません。
また、お寺にお参りに行くことは問題ないとされています。
ただ、初詣の本来の意味は、神社の神様に新年の挨拶に行くことが基本です。
お寺に行くことは従来は初詣とは言いませんでした。
そういう意味では初詣は控えることとされています。
お寺に初詣に行く風習があるなら、初詣に行くのはかまいません。
結局は、気の持ち方次第と言えます。
私の時は、初詣は控えました。あなたはどんな考えですか?
旅行
本来は控えるべきですね。
娯楽に関することなので、やめたほうが良いです。
さすがにこれくらいは、従来の習慣に従ったほうが良いでしょう。
周りの目というものもありますからネ。
お墓参り
ぜひ行きましょう。むしろ良いことなのではないでしょうか?
ご先祖様も大変喜びますよ!
まとめ
さて、いろいろとどう過ごせばよいかを見てきました。
昔ながらの風習であったり、地方での風習であったり、つい最近行われるようなものであったり、日本の風習とは本当に多種多様です。
ですが、できるだけ
「本来はどのようなものであったか?」
を正しく理解した上で、今風に判断するのが良いと思います。
情報があふれていて、何が本当か判断するのはとても難しいのですが、出来る限り、というのが大切な気がします。
そういう意味では、昔からの習わしと、現実的に行うべきこととのバランスを考えながら、行動していくのが、一番理想だと思います。
まあ、結構難しいのですけどね。
最後までお読みいただきまして、有難うございました。